カヤックの体験時、津波が発生した場合についての考察です。 状況によって様々なケースに分かれると思われます。ただ、あくまでも個人の机上の話だと受け取ってください。みなさんがフィールドや状況に応じて、独自の緊急対応を想定することが大切だと思います。
海洋での場合
沿岸部をツーリングして楽しむコースタルカヤック
地震に伴って津波が発生する可能性があるのかを知ることが大切です。
車で走行中に地震が発生しても、なかなか気づきにくいです。
船舶で海上にいる場合や、ダイビングで水中にもぐっている場合なども地震の発生に気づくことはむつかしいかもしれません。
例外的にダイビング中に海中で地鳴りのような音が聞こえたような気がするという記事を、以前、見たような気がします。
カヤックに乗っている時も同じように、地震の発生には気が付きにくいと思われます。
しかし現代では携帯電話やスマートフォンなどのコミュニケーションツールが発達し、広く普及している状況でもあります。
緊急地震速報は、地震の発生直後に、各地での強い揺れの到達時刻や震度を予想し、可能な限り素早く知らせる情報のことです。
当該地域は最大震度5弱以上と推定した地震の際に、強い揺れ(震度4以上)が予測される地域となります。 テレビやラジオで放送します。
独特のチャイム音を耳にしたことがありますよね。
民放などの各放送局でも、緊急地震速報が放送されたことがすぐにわかるように、NHKのチャイム音を使用しています。
市区町村では全国瞬時警報システム(J-ALEART)を用いた防災行政無線による放送を行っています。
そして携帯電話各社によって、携帯電話への緊急地震速報も配信されています。
NTTドコモ、au、ソフトバンク、ワイモバイルの4社になるそうです。
スマートフォンで利用できるアプリの中には、緊急地震速報を配信しているものもあります。
緊急地震速報の発令により、強い揺れの前に、自らの身を守ったり、列車のスピードを落としたり、あるいは工場等で機械制御を行うなどの活用がなされています。
ただし緊急地震速報を発表してから強い揺れが到達するまでの時間は、数秒から長くても数十秒程度と極めて短く、震源に近いところでは速報が間に合いません。
また、ごく短時間のデータだけを使った速報であることから、予測された震度に誤差を伴うなどの限界もあります。
カヤックで海や川にいる場合
この緊急地震速報を受信した場合には、強い揺れに警戒する必要があります。
ただちに海水面の変動などが生じないとしても、陸地の物体が即座に影響を受ける可能性が考えられます。
例えば、海岸線や水辺の崖などの崩落です。
急な斜面では落石や倒木の恐れ、もしくは陸上の構造物の倒壊があるかもしれません。
頭上の落下物に十分な注意が必要だと考えられます。
テレビ番組やネットのコンテンツでご覧になったことがあるかもしれません。
氷山(氷河)が崩落した際に氷片が弾丸のように飛んできて、カヤッカーがけがをしそうになったり映像や
突然の崩落によって生じた津波から、急いで逃げるボートの映像を。
同じように陸上地形が崩壊すると、たまたま近くにいるカヤッカーには、大きな危険があるかもしれません。 カヤックツアーでの崖崩れの映像もあります。
カヤックに乗って、海面や川面、湖面にいる時に緊急地震速報を受信した場合には、一刻も早く、崩落の可能性がある陸上地形からは、いったん離れた方が良いかもしれません。
そのあとで、各地の震度は情報が入り次第、ネットやテレビ、ラジオなどで知ることができます。
特に津波の恐れがあるかどうかが重要な情報です。
船舶の場合は、津波による被害を免れるために、沖出しといって、津波の影響を受けにくい水深50mのあたりまで船を避難するということがあります。
私も実際に昔、船(動力船)を沖出しをしたことがあります。
津波の恐れがなくなってから、ようやく港へ帰ることができました。
しかし、東日本大震災では、沖出しで助かった船もあれば、帰らぬ人となった方もいます。
遠浅の海岸では水深50mになるのには、岸からものすごく遠い場合があります。
動力船でもそこまで行くのに、かなりの時間がかかることも。
津波の到来前の引き潮によって、潮位が異常に低下して、途中で座礁して身動きが取れなくなってしまう可能性も。
海岸沿いのカヤックツーリングで、遠浅の地形であれば、沖合までの避難が間に合わないかもしれません。
アイランドホッピングのような場合では、水深は確保できるかもしれませんが、もし陸上に避難する場合には、時間がかかる可能性があります。
ただ、海上保安庁の巡視船が沖に避難をした際の映像を見たら、かなりの大波が数度にわたって、押し寄せていました。
この映像を見た限りでは、カヤックやスモールボートでの沖出しによる津波避難はリスクが非常に高いと思われます。
そもそもシットオントップカヤックのようなタイプのもの(風や水の抵抗が比較的おおきい)では、安全エリアまでたどり着くには、かなりの時間と労力が必要です。
万が一、転覆した場合は再乗艇がむつかしいかもしれません(ロールができる上級者は別かも)。
状況によっては低体温の危険性もあります。
このようなケースでは電話がつながりにくくなったり、救助要請ができたとしても、大規模な災害が発生して、救助のためのリソースにも限界があります。
PFDやライフジャケットを着用していても、荒れた海で長時間、波にもまれた状態が続くと、身体から脱げて、おぼれてしまう可能性があります。
以前、外国の船の事故で多くの乗客がライフジャケット(よく見るオレンジ色のもの)を着用したまま、亡くなっている映像を見たことがあります。
ライフジャケットだけ浮き上がり、頭が海中に没した状態になって、おぼれてしまったようです。
一般的な船舶用のライフジャケットには股掛けと呼ばれる股ヒモはついていなので、浮き上がってしまう特性があります。
シュノーケリングで良く用いられる股掛け付きのタイプでも、荒天時の漂流は想定されていないと思います。
カヤックやスモールボートは、どうにか岸にたどり着くことができれば、次の手順につなぐ可能性が出てくるかもしれません。
ただ、お断りしておかなければならないことは、これらもあくまで机上の話であって、私自身も実践や体験をしたわけではないということです。
スマトラ島沖地震の際は、実際にダイビングをしていたところ無事だったという記事を目にした記憶があります。
水面にいたわけではなく、ある程度の水深に滞在していた時だということです。
ただ、カヤックに乗っている方の津波遭遇の体験談を知らないので、あたらしい情報がわかれば、あらたに考察できるかもしれません。
大切なことは、自分たちのフィールドで、緊急の時にどのような対応が可能であるのかを、考えることが貴重な体験になるということです。
3月11日を迎えると毎年、こんなこと考えます。 でも、より具体化して行動プランを立てることができるかというと、個々のカヤッカーが置かれた状況によって様々です。
私自身もそんなにベテランだとか、カヤックの技能に優れているというわけではありません。 しかし考えるという習慣を大切にしたいと思います。
新型コロナウイルスのニュースがとても多い状況ですが、この3月11日という日をきっかけにして、災害への備えや認識を新たにしていきたいと思います。
注)気象庁のホームページから引用させていただいた内容を含みます。
この文章は書きかけです。 後日、追記していきたいと思います。
それでも完成して、正解にたどり着くことはできないと思っています。
より良い方法を模索していきたいです。
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