熱帯から亜熱帯海域に生息しています。日本近海では最も恐ろしいクラゲの一つです。5月~10月頃に多く発生し、沖縄周辺の海岸で見られるようになります。カサの部分から長く伸びる触手に刺胞と呼ばれる毒を出す組織が無数についていて、これに触れると強い毒が注入されます。クラゲが大きく成長していく夏場の時期に被害が増大します。このクラゲは立方クラゲの仲間で、身体はやや箱型(四角)に近いです。この身体の四隅から長い刺胞が伸びています。かさの高さは1㎝~20㎝くらいになり、
触手は2m以上に伸びる事もあります。小魚などを捕まえて食べるために、遊泳能力はかなり高いです。小魚がいるような場所、湾内や入り江、水際の浅いところに侵入することが多いようです。水際の水深20cmから30cm前後の所、岸から1~2mくらいのところにいることもあるために、特に水遊びの子どもたちは注意が必要です(子供たちが遊ぶ深さのところに来ることが多い)。水深1m以内、岸から10m以内の範囲で多くの被害が出ています。県内全域でみられ、ハブ毒の数倍もあるので非常に危険です。子供が刺された場合、子供の体の大きさに対しての毒の注入量が多いので、非常に危険です。呼吸停止や心停止が起こる可能性があるものとして備えましょう。
応急手当
① 刺されたら海からすぐにあがり、助けを求めます。
② 大量の酢を充分にかけます(酢には刺胞の発射をおさえる効果があります)。
③ 触手をそっとはがします。
④ 痛みがある場合は氷や冷水で冷やします
(ほとんどの場合、激しい痛みを訴えます)。
冷やすことによって痛みが和らぐとともに、
毒の活性を抑える働きがあります(毒をおさえる)。
ただし冷やしすぎて凍傷になったりしないように注意しましょう。
⑤ 病院へ行きましょう。
小さいお子さんの場合や、刺された範囲が広い場合、不安な場合などは即座に救急車の要請をしたうえで、②から④の応急処置をしながら、救急車の到着を待ちましょう。この場合は、とにかく迷わず119番通報しましょう。一刻を争う場合があります。
注意事項
※ こすったりすると被害が拡大します。とにかく激痛が走りますので、子どもの場合は痛くてかきむしったりすることで、より重症化する恐れがあります。
※ 呼吸や心臓が止まった場合は、すぐに人工呼吸、心臓マッサージを行い病院へ運びましょう。
※ アルコールは被害を拡大させます。
※ なるべくクラゲ防止ネットのあるビーチで泳ぎましょう(それでも刺されている例もあります)。
※ ラッシュガードやウェットスーツの着用を徹底しましょう。もしくは背がたつ浅いところで子供たちに長袖、長ズボンを着させて保護者がしっかりと監督の上で水遊びさせましょう。(服を着させると、びっくりするほど泳ぎにくくなりますので、十分注意してください)。また、大人が海中を十分にチェックする(マスクをつけて頻繁に注意する。ハブクラゲは意外と早く泳いで来ます)。
ハブクラゲ防止ネットが張ってあるビーチはリゾートホテルやエメラルドビーチ、その他の有名なビーチにありますが、まだまだ限られたところにしかありません。また当然、ネット内は見られる魚も限られます。ネット内でも絶対安全というわけではありませんので、ご注意ください。