胸鰭と背鰭の第1棘条(ひれのいちばん前側のどげ)が毒針になっています。刺されると激痛が走ります。死んだ後も毒が生きているので、釣り場に捨てられているものを触ったり、踏んだりしてはいけません。ゴンズイは集団で活動していることが多いです。老成魚は単独でいることもあります。ゴンズイ玉と呼ばれている集団で集まっている様子は、小さいときはとてもかわいい塊です。時折、群れの形を変えながら、移動し、水の底を這いながら採餌しています。小さい子供が遊ぶような浅瀬にいる場合もあって、知らないで群れを手ですくいあげて刺されているケースや、釣り人が針から外そうとしてあやまって刺されているケースもあります。ナマズの仲間なので、よく見ると口の周りにひげがあります。体色は黄色と黒です。英名はキャットフィッシュ、かわいい名前です。小さいほど黒い色が目立ちます。成長すると黄色が目立つようになりますが、老成魚になると退色してきて、30㎝くらいになるものもいます。
応急処置
オコゼやカサゴと同様の対処となります。
① もし目に見えるトゲがあれば取り除きます。
②毒を絞り出したり、ポイズンリムーバーなどで、吸い出します。
③ 40~45℃程度のお湯に患部をつけます。 (痛みが和らぎます。患者が触って熱くない程度。さらにわかりやすい温度の表現は、手をつけて気持ちが良い程度だそうです)
④ ビニール袋にお湯を入れて患部に当てても良いです。60~90分つけましょう。
⑤ 具合が悪くなりそうだったり、痛みが続く場合などは病院で診てもらいましょう。トゲが残っている場合もあります。
※写真は胸鰭とその第1棘条の毒を分泌する棘
注意事項
※ やけどに注意して下さい。心配するあまりに、お湯の温度を高めにしてしまうと、熱傷で重症化する可能性があります。
※ 折れたトゲが体内に残っている場合もあるので、心配な時は病院で診てもらいましょう
※ 海底に手足をついたり、岸壁に手をつくときなどは危ないものがいないかどうかを十分に確かめるようにしましょう。
※釣具店やダイビングショップで、厚いフェルト底のマリンブーツや長靴を売っています。厚いフェルト地は、トゲを通しにくいとされているのでお勧めです。最近の海洋危険生物の講習会では、フェルト底のブーツの着用を奨励していることが多いです。ただし、オコゼやカサゴと違って、泳いでいるゴンズイを踏むというケースは少ないと思われます。踏むケースは、釣り場に放置されているものの場合かと思います。