サンゴ礁域に生息する、殻の長さが10cm程にもなるイモガイ科に属する巻き貝です。
アンボイナはその中でも最も毒が強いイモガイで、口の中の歯舌(しぜつ)という矢状の舌で毒を打ち込み、魚を食べます。
命にかかわるほどの猛毒です。
コノトキシンと呼ばれるイモガイが作り出す毒です。
コブラよりもはるかに強い猛毒です。
普通、貝の毒というのは、その貝が何を食べるかによって大きく変わってきます。
よく貝毒とか呼ばれています。
体内に取り入れたプランクトンの毒性に影響されます。
新聞にもときどきニュースが出ることがあります。
どこそこの地域の貝が出荷停止なんて言う記事です。
サザエでも、食べてるものによっては食中毒が発生します。
これか一般的な貝の毒です。
しかしイモガイの仲間に関しては、自分で毒を作り出しています。
すごいですね。
この毒は神経毒のため、刺されても痛みはほとんど無く、体が痺れ、浅いところでも溺れる危険性があり、多くの死亡例があります。
溺れてしまう例が多いので、実際はイモガイの被害によるケースもかなり多いのではといわれています。
NHKの「ダーウィンが来た」を見ていて、初めて知ったのですが、口を開きながら魚に接近し、毒を放出し始めるために、魚は麻酔がかかったような状態になり、動きが鈍くなって大きな口に飲み込まれました。
その最中に毒針を発射して、とどめを刺していました。
ほんとうにすごいハンターですね。
海の必殺仕事人です(若い人はわからないかも)。
沖縄のある地域ではハマナカーと呼ばれています。
岸にたどり着くことなく、浜の半ば(なかば、途中)で死に至るという意味があるそうです。
毒蛇のハブに例えて、ハブガイとか、もっとすごいニックネームとしては殺人貝と呼ばれることもあります。
昔、沖縄の海洋危険生物の研究会の会誌の名前がハマナカーというものがありましたよ。
大型のイモガイの仲間は危険です。
タガヤサンミナシは同様の方法で貝を捕食します。
きれいな貝だと思って、拾って持っていると、知らないうちにだんだんと出てきて、毒針で刺される危険性があります。
エサを捕食するための攻撃、そして敵を撃退するための防衛的な行動もあるのですね。
とにかく知らない貝(特に生きているもの)は絶対にさわらないということが重要です。
ダイビングの講習会でも、「知らないものは触らないで!」って紹介をされると思います。
しかしこの恐ろしい猛毒も、近年では強力な鎮痛剤として活用されているそうです。
モルヒネよりもさらに強力な鎮痛効果があるそうです。
この毒が痛みの伝達自体をブロックする働きがあるそうです。
副作用がないという紹介もありましたが、詳しいことまでは確認していません。
応急処置
① 声を出して助けを求めます。
② 毒を口で吸い出しながら、起立・歩行が可能な間に陸へ上がります。
③ ただちに救急車を呼びます。迷うことなく119番通報してください 。
写真はアンボイナです。
注意事項
※ 緊急性が非常に高いです。
※ 呼吸や心臓が止まった場合は、すぐに人工呼吸、心臓マッサージを行いながら、救急車の到着を待ちましょう。
※ 自分が知らない生きている貝は触らないようにしましょう。沖縄や奄美大島などの南の海では、マガキガイという食用の貝がいますが、間違って危険なイモガイを触ったりしてはいけません。
写真はタガヤサンミナシです。