マングローブの鳥類/サギ・シギ
コサギやイソシギ、鳥類の仲間
マングローブの林にはたくさんの生き物たちが暮らしています。沖縄に定住しているものから、季節によって飛来する渡り鳥もいます。干潮時にはサギやシギの仲間が捕食のために水辺や干潟で活発に活動し始めます。 |
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サギ類
コサギ
黒い脚ですが、足首から下は黄色い靴下をはいているかのように色が変わっています。チュウサギ
。ダイサギ
。アマサギ
畑の作業が始まると、掘り出された虫を食べに集まります。クロサギ
ややこしいですが、黒色型と白色型と2タイプがいます。つまり白いクロサギがいるんです。アオサギ
大型のサギです。ゴイサギ
赤い目が特徴的です。シギ類
イソシギ
。セイタカシギ
水辺のバレリーナの愛称があります。アオアシシギ
足が青というよりは黄緑色です。くちばしは長く、少し上に反りかえっています。トキ類
クロツラヘラサギ
大きなしゃもじのようなくちばしが特徴です。絶滅危惧種になっています。以前に聞いたときは世界中で2,000羽くらいしかいないとのことでした。中国や韓国あたりから、冬になると沖縄へもやってきます。やってくるとローカルニュースや新聞でも取り上げられます。沖縄の南部のほうへやってきますが、時には北部に来ることも。毎年、シーカヤックマングローブツアーで観察しています。それでも多くて一度に2羽です。干潮時の浅瀬でくちばしを水中や地中にいれて、探るように甲殻類などをとっています。頭を左右に振りながらのしぐさがとてもかわいいです。昔、葛西臨海公園でも見たことがあります。英名はblack-faced spoonbillです。黒い顔でスプーンのようなくちばしという意味なので、和名と同じ意味ですね。クロツラヘラサギ(昔のレポート)
チドリ類
カワセミ類
カワセミ
水辺の宝石という愛称も。英名はkingfisher。偉大な漁師(魚とりの名人)です。新幹線の500系はカワセミのくちばしをモデルにデザインされました。水に飛び込むような抵抗の軽減を新幹線の空気抵抗軽減に求めました。このように生物の優れた性質を工業技術に模倣するようなことをバイオミミックとかバイオミミクリーと呼んでいます。カタツムリの殻が汚れにくいことを応用したり、ヨーグルトのフタにヨーグルトがつきにくいとか、ものすごく、身近なところで技術が進歩発展しています。リュウキュウアカショウビン
英名はruddy kingfisher。赤いカワセミというか、赤らんだ漁師という意味です。本当にきれいな赤色をしています。冬は東南アジア、そして夏には沖縄や奄美へやってくる渡り鳥です。雨を呼ぶ鳥とも呼ばれていて、梅雨のころに活発に活動しています。「キョロロロー」と独特の高い音で鳴きます。見た目もそうですが、キョロちゃんの愛称で呼んでいる人もいます(チョコボールのキョロちゃんのモデルというわけではないようです)。本州のほうのものは亜種アカショウビン、奄美諸島以南のものは亜種リュウキュウアカショウビンだそうです。奄美大島で暮らした孤高の画家田中一村が描いたアカショウビンがとても素敵です。ぜひご覧ください。ワシタカ類
サシバ
沖縄の冬の季節の到来を告げるかのように、渡ってきます。少し高いところからネズミなどの小動物を狙います。甲高いかわいい鳴き声をだします。「ピィクイー」とか「ピックイー」と書いてあるものが多いです。目の上の白い模様の有無は色々だそうです。英名はgrey-faced buzzardです。buzzardはコンドルやタカなどの猛禽という意味です。ミサゴ
よくホバーリングしながら上空で魚を探しています。いざ見つけると急降下。鋭い爪で魚をわしづかみにします。頭や胸が白いのので、はっきりとわかります。写真のものは、実は魚をつかんで飛んでいるところです。英名はosprey。米軍の輸送機の名前が有名です。preyには捕食するという意味もあり、bird of preyで猛禽類です。英名は他にもいろいろあるようで面白いです。ハト類
ズアカアオバト
尺八を吹いているような渋い音が聞こえてきたら、ズアカアオバトの鳴き声です。沖縄の離島のほうで見られるものは、和名の由来になっているように、頭に赤い色がありますが、沖縄本島で私たちが見ているものには赤い色はありません。英名はwhistling green pigeonです。ホイッスルには船の警笛や笛、口笛、鳥のさえずりなどいろいろな意味があるようです。鳴き声のイメージとしては尺八や船の汽笛みたいな感じです。キツツキ類
コゲラ
とんとんと木をつつくドラミングの音が聞こえてきます。木の中の虫を探して、掘り出して食べます。キツツキの仲間は驚くほど舌が長いです。本で見たことがありますが、頭の内部の後ろのほうに収納されています。ちょっと気持ち悪いくらいです。英名はpygmy woodpeckerです。小さいキツツキ、そのままの名前です。セキレイ類
キセキレイ
かわいく尻尾を振りながら歩いています。カラス類
カラス
エサが豊富なマングローブ域には、カラスもいます。干潮時にはシオマネキを食べたりしています。また漂着した死んだ魚を食べることも。ある意味では、水辺の掃除屋さんといえるかもしれません。ただあまりに器用に甲殻類を捕食することができるので、マングローブ域の生態系に及ぼす影響が心配です。他の鳥たちを追い払ってしまったりと、大きな問題があります。ワシタカの仲間のサシバやミサゴを集団で追いかけ回す光景も見られます。左の写真は、ミサゴを数羽で追いかけているところです。せっかくとった魚をカラスに横取りされそうになることもあります。
湧水近くでは楽しそうに水浴びしていることもあります。カヤックツアーの説明中に大きな声でカアーカアー鳴くこともあるので、カラスの声に負けないように頑張って話をします。
漂着したものを利用して、器用に巣作りをします。この写真の巣は使わなくなった後もしばらく、この状態で残っていました。