マングローブは1本の木の名前ではなくて総称(あだ名)です
マングローブとは
この名前の木があると思われがちですが、実はそうではありません。真水と塩水が混ざっているような環境で、ある程度、塩分に強い植物の総称です。特に熱帯や亜熱帯などの暖かい地域にあります。川からの真水と海からの塩水が出会う場所が河口です。このように性質が違う水がミックスされている汽水域と呼ばれているところに生育しています。
マングローブとは
日本のマングローブ
世界中で100種類近くといわれているマングローブ。日本でも広く数えると20種類から30種類近くあるといわれています。カヤックツアーなどに参加すると、特徴的なものを絞り込んで、日本国内では7種類あると紹介することが多いと思います。
熱帯や亜熱帯などの暖かい地域で生育していますが、日本では南は沖縄から、そして北は静岡県にまで広がっています。世界的には日本が北限となっています。しかし自生(もともと自然に生えている)という点で考えると、種子島がまさに世界の北限とされています。
沖縄県内でもたくさんのエリアがあります。カヤックツアーが開催されてるエリアもあって、その生態系を知るうえで貴重なフィールドとなっています。
日本のマングローブ
マングローブの生活
とても過酷とも思われる環境のなかで、どんな風に暮らしているのでしょうか。川や陸地からは真水が流れ込み、海からは塩水が流れ込んできます。満潮時には冠水し、干潮時には干上がってしまいます。
このようにマングローブの生活環境は劇的に変化します。それでも、このような環境に生育しているというのは、陸上の植物との関係性が大きな要因となっているのかもしれません。
陸上の植物と同じように光合成もしています。ですからほかの植物に覆い隠されてしまうと、太陽光が遮断されて光合成ができなくなったり、時には栄養を取られて枯れ死してしまいます。そのために汽水という水域で、塩分と上手に付き合いながら生育しています。
マングローブの働き
私たちの暮らしにどんな影響を与えているのでしょうか。この林があることによっての、生き物たちへの恩恵も色々です。生活の場として、そして栄養の供給源としてです。
私たち人間が汚してしまった水を浄化してくれる働きもあります。地球環境の維持のために重要な役割も果たしています。
また災害の際にも大きな役割を果たしているようです。地震の際の津波によって、今までに世界的に大きな被害が発生しました。津波を弱めたり、危険な漂流物を受け止めてくれたりしました。自然の防波堤ともいえます。時には流された人々が木にしがみつくことにより、多くの人命が救われるケースもあったそうです。このようなバイオシールドとしての減災効果もあります。
みなさんの近くにもマングローブはたくさんあります。ホームセンターで販売されているバーベキューの際などに使用する炭も、東南アジアからのものがたくさん入ってきています。このように意外な形で私たちの暮らしともかかわりが深いです。
私たちもシーカヤックツアーでこの資源を活用しながらの体験学習を提供しています。とても大きな恩恵を受けて生活しています。
マングローブの今とこれから
世界や日本の現状や問題点、そしてこれからのことをちょっとだけ考えていきたいと思います。世界という視点で考えると、開発に伴う伐採や、薪や炭、建築資材などの資源としての伐採も。
日本の場合でも、人間の生活環境の改善のために伐採されるケースは過去も現在も続いていると思われます。
沖縄県内でもいろいろな地域にあります。地元の地域にとってはとても貴重な自然環境であり、観光資源として活用されているところもあります。
マングローブの今とこれから