カヤックの乗り降り
カヤックに乗って遊びに行くには、やはり安全に乗り降りすることを心がけなければいけません。自分が乗ることと、同乗者が乗ることをサポートすることです。ここではシンプルに1名で乗り降りするポイントだけを紹介したいと思います。
シットオントップカヤックの乗り降り
同乗者と協力して
シットオントップカヤック(デッキの上に座るタイプのカヤック)の一般的な乗り降りの方法です。沖縄のマングローブ域でのカヤックでは、実際は岸辺ですこし水に浮かせた状態で乗り降りすることが多いと思います。同乗者と交代で順番に乗り降りしますが、同乗するひとの年齢(特にこどもや年配の方)や、波・風の状態、乗り降りする場所の地形(ビーチ・岩場・護岸)などに応じて、一般的にはガイドが適切な方法をアドバイスします。
立ってはいけません
転んだら大変
カヤックの乗り降りでやってはいけないことは、カヤックの上に立つことです。ころんでケガをする可能性があります。
おしりから
ゆっくり座ります
カヤックに背を向けて、後ろ向きに座ります。
シートがあります
座ってから調整
おしりから座るようにします。座る場所はカヤックのくぼんでいるシート部分です。ハッチ(フタ)の上はだめです。バックレスト(背もたれ)がついている場合、シートの少し手前にいったん腰を下ろしてから、おしりの位置を後にずらしたほうが、座りやすい場合もあります。
カヤックの中心に
バランスに注意
座ったらまず、カヤックの中心線上と身体の中心が合うようにしましょう。カヤックのバランスを保つうえで大切なことです。左右どちらかに偏っていると、カヤックのバランスが悪くなり、身体がぐらついて不安です。
深く座るかんじ
のけぞると腰にきます
バックレストがついている場合はなるべく後に深く座るようにします。そのほうが背もたれのかかりが良くなり、楽な姿勢で身体を維持することができます。浅く座って、背もたれにもたれかかると、思った以上に上半身が倒れすぎてしまい、腰が疲れたり、パドルをうまく漕ぐことができません。
足の位置がポイントです
足の踏ん張りがきくように
シットオントップカヤックにはフットレスト(フットウェル)という足を置くところがあるので、ここに足(かかと)をおきます。ひざが軽く曲がる程度になるように、足を置く位置を決めましょう。このフットレストには大切な役割があります。漕ぐときにパドルを水に入れている側の足を踏ん張ることで、上体の回転を利かせて効率的にしっかりと進むことができます。足を踏ん張り、カヤックを前に押し出す(けり出す)ように意識すると、カヤック自体がぐんと前に進んでいくことを感じるかもしれません。
降りるときもチームワーク
状況に応じてです
カヤックを降りるときも交代で行います。乗る場合と同じように、状況に応じて、ガイドが適切なアドバイスをしてくれると思います。ここでは一般的なシンプルな降り方を紹介します。
足から
波や水の動きに要注意
まず足を先にカヤックの外へ出します。カヤックの上に立ってはいけません。参考までに、海などの波が発生する場所での注意としてカヤックを降りる時は、カヤックと岸の間に降りることは好ましくないということです。一般的には海側(沖側)に降りるようにします。波に打ち付けられたカヤックがあなたにぶつかってケガをしたり、転倒してカヤックごと波に巻かれると危険だからです。機会があれば、サーフエキジットという項目を作って、後日紹介できればと思います。
しっかりと体を支えて
カヤックは動きます
カヤックにしっかりと手をついて、立ち上がるようにします。カヤックが水に浮いている場合は、カヤックが動いてしまうこともあるので注意してください。
しっかり立つ
最後まで油断しないで
ちゃんと立ち上がることができるまで、油断しないでください。水に浮いているカヤックが動いて、身体が倒れたりしないように注意します。マングローブ河口域のようなドルが堆積しやすい場所では、泥に足をとられないようにしましょう。特に干潮時の乗り降りの際に注意します。海などのビーチでは、砂に足をとられないようにします。護岸や、カヤック乗り場としてブロックやコンクリートで整備されているようなところでは、コケで足元がとても滑りやすくなっている場合もありますので、転倒しないように注意してください。
ケースバイケースです
状況に応じてガイドがアドバイス
一般的なカヤックの乗り降りを紹介しました。実際にはそのときの状況に応じて、カヤックガイドが臨機応変にアドバイスしてくれると思いますので、その指示に従うようにしましょう。カヤックを水辺に出し入れしたり、同乗者と協力しての乗り降りなどは、別の機会に紹介します。