沖縄マングローブカヤックブログ/なきじん海辺の自然学校

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海辺や水辺で要注意 2017年10月28日

台風は沖縄本島を直撃しました。

外に出ることができなかったので、今日は台風が通過した後の注意をいくつか紹介したいと思います。

 

これは昔に撮影した台風の時の海の写真です。

危ないのでみなさん、マネしないでくださいね。

こんな時に海辺に行くことは超危険です。

 

 

台風でものすごい量の漂着物が海岸や川辺に打ちあがります。

自然のものだけではありません。

よく釘が飛び出ているような木材が流れ着くことがあります。

打ちあがった後に電球やガラス瓶などが砕かれたり、蛍光灯がそのまま打ちあがっていることもあります。

蛍光灯はただ割れるのではなく、破裂して、細かく鋭い破片が飛び散るので危ないです。

医療ゴミが打ちあがることもよくあります。

薬剤の瓶や注射器などです。

注射器の針は感染の恐れもあるので要注意です。

もし液体が入っている状態の容器があれば、危険な化学薬品が入っている場合もあるので、ビーチクリーンの時でも開けないほうがよろしいです。

靴を履いていても、とがったものは靴底を突き通します。

ビーチサンダルなどは、簡単に突き抜けます。

そして隠れていない足の横とかは無防備です。

漂着物がある際は不用意にその上を歩かないようにしましょう。

死んで打ちあげられたハリセンボンのとげもかなり鋭いです。

 

台風の直後の海岸散策には注意しましょう。

 

オイルボールと呼ばれている油の塊もよくうちあがりますよ。

これが靴や手についたりするとなかなか取れません。

 

 

このきれいなものはカツオノカンムリです。

風に乗って浜辺にうち上がります。

短い触手のようなものがありますが、刺されることがありますので触らないように。

このカツオノカンムリのすこし後にカツオノエボシという猛毒の生き物が打ちあがることが多いです。

カツオノカンムリは触手が短くて、水の抵抗が少ないので、風をうけて流されやすいです。そのためにいち早く流れてやってきます。

ギンカクラゲと呼ばれているものも同様です。

カツオノエボシは長い触手を持っている分だけ、すこし水の抵抗があるために、カツオノカンムリより少し遅れて、流れ着くことがあります。

触手にある刺胞がとても危険です。

かなりの強い毒を持っています。

死んだ後も強い毒がしばらく生きているので、岸に打ち上げられていても触ってはいけません。

空気袋の下側に長い危険な触手を持っています。

沖縄の季節風は夏は南風、冬は北風になるので、それぞれの季節に応じて、風が吹きつける海岸は要注意です。

台風などで強風が吹き続けた後も注意が必要です。

水辺でのカヤックの乗り降りの際に気をつけましょう。

そして漕いでいるときは不用意に水中に手を入れないように。

水面にこのような生き物が浮いていることもあります。

夏のころであれば、ハブクラゲにも注意が必要です。

 

カツオノカンムリとカツオノエボシ、そしてアサガオガイの写真も紹介しておきます。

長い触手が伸びているものがカツオノエボシです。

そして貝殻が付いているものがアサガオガイです。     

 

 

 

アサガオガイはカツオノカンムリやカツオノエボシを食べる貝です。

面白いことに浮遊性の貝です。

海面を漂流しながら、カツオノエボシなどを捕食しています。

すごいですね。

 

 

カツオノカンムリ、カツオノエボシ、そしてアサガオガイ、こんな順番で海岸にやってくることがあります。

そして大雨の後に注意が必要なのが、このアフリカマイマイというカタツムリです。

大雨に流されて、いろいろなところに流れ着いていることがあります。

台風ではなくても、雨上がりに道路を歩いているのを見かけることがあります。

台風の後は特に、水が流れ着く先、川の下流域や海辺にも漂着していることがあります。

昔、戦前に食用目的で、台湾から沖縄に入ってきたようです。

沖縄戦の混乱を契機に広がってしまったそうです。

農作物を食い荒らしたり、在来のカタツムリなどを駆逐してしまう可能性もあるそうです。

そして何よりも問題になったのが、寄生虫です。

広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)はこのアフリカマイマイを中間宿主としています。

中間宿主(ちゅうかんしゅくしゅ)とは、大人になるまでの間の期間に寄生している生き物のことです。

最後には終宿主にたどり着きます。

広東住血線虫は人間の体の中に侵入すると、中枢神経に移動して、髄膜炎などを引き起こす可能性があるそうです。

生命にかかわる危険性があります。

沖縄で子供が感染して死亡したことから、全国的にも大きなニュースとして取り上げられたこともあります。

アフリカマイマイに起因するものが多いですが、ほかにはナメクジによるものもあるようです。

アフリカマイマイを直接触ったり、アフリカマイマイがいたような水たまりをさわったりしないように注意しましょう。

アフリカマイマイが歩いた後も良くないとされています。

そして生野菜を食べるときはよく洗いましょう。

そして外で遊んだ後は、良く手を洗うことも大切です。

台風や大雨の後は、流れたアフリカマイマイがマングローブにたどり着いて、木や葉にはりついていることもあるのでカヤックのツアーでも注意が必要です。

むやみやたらにいろいろなものを触ったりしないようにすることや、もし手をつく場合にはなにも危ないものがいないことを確認しましょう。

沖縄ではよく陸上にいるオカヤドカリや水中が得意なツメナガヨコバサミなどのヤドカリが、このアフリカマイマイの殻を住み家として利用しています。

死んで空っぽになっている殻に入っていることがよくあります。

カヤドカリに関しては、生きているアフリカマイマイを攻撃して、殻を乗っ取ってしまうこともあるそうです。

ツメナガヨコバサミに関しては今度調べてみたいと思います。

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